TOUCH口腔機能回復センター http://touch-clinic.jp/ (舘村歯科クリニック内) 一般社団法人TOUCH http://www.touch-sss.net/

口腔機能の歯医者-DocTak舘村卓のささやきⅡ

摂食嚥下障害や音声言語障害に悩む方々のお役に立てる情報を提供します.

TOUCH Team for Oral Unlimited Care and Health
限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団
口腔機能の歯科医師 舘村卓は以下の代表を務めています
TOUCH口腔機能回復センター(舘村歯科クリニック) http://touch-clinic.jp/
一般社団法人TOUCH http://www.touch-sss.net/

ウェビナーアドバンスト 終了しました.

第59回世界でここにしかない口蓋帆咽頭閉鎖機能ウェビナー参加申し込みを開始しました.

2月23日,28日に開催しました第58回TOUCHウェビナー(事例検討)を終えることができました.最近,ウェビナーをしていて思うことは,日によってChatの利用の程度が異なることです.ウェビナーでは,virtualな対面,双方向講義のような使い方ができるため,私個人としては,学会や会議だけでなく今後もっと広く使われるのではないかと思っています.

 

さて,なかなかCovid-19の収束が見えませんが,ワクチン接種が始まったことで(本当に始まっているの?というくらい,私の周りでは聞きませんが...),少し長く暗いトンネルの出口が小さく小さく見えてきたような気もします.

 

今回のCovid-19の蔓延やそれへの対応を見ていると,私たち日本人は「反省しない」人種だなぁとつくづく思いました.「起こってほしくないことは起こらない」ので,準備する必要はないとしてきたのではないでしょうか?かつて起こってほしくないことは起こってきました.神戸の震災,三陸沖の震災,どうでしょうか?国の中枢全てを東京に置いていていいのでしょうか?いずれ必ず襲ってくる震災が予測されているのに....

選択と集中」という言葉で,「流行りでない」「古そう」なことには,研究費や事業費も削ることで損益分岐点を下げて効率よく儲けようという考え方が蔓延っています.再生医療でiPS細胞だけに研究費を集中しているために,再生医療全体としては日本は後れを取っています.感染症に対応するために,いつ使うか判らないワクチンに資本投下するのは愚の骨頂としてきたつけが出ているように思います.この数年でノーベル賞をお取りになられた先生方の研究の中には流行りでない領域からのものもあるように思います.選択するのは誰?これらの研究は官僚によって選択されなかったものではないのかな?

 

さて,次回は4月4日,18日に「口蓋帆咽頭閉鎖機能」ウェビナーを開催します.世界でここにしかないウェビナーです.解剖,生理,臨床についてお話します.

言葉の訓練で吹き戻しを使うのは正しいですか?1回吹くと戻りが悪くなりますが...コップに入れた水をストローで吹くことは効果がありますか?ストローの太さは?水の深さは?判らないことなのに,平気で現場で使っています.

大丈夫でしょうか?

お申込みは(一社)TOUCHのHPまで(http://www.touch-sss.net/

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額描庭 白梅

写真は拙宅の「猫額庭」の上の段に咲いた白梅です.下の段の「紅梅」はまだのようです.

 

 

 

新年おめでとうございます.ウェビナー基礎B(評価)が終了しました.

ウェビナー基礎B(評価)が終了しました.

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門松


12月20日,1月10日に摂食咀嚼嚥下障害に対応する上で必要な評価についてウェビナーを開催しました.VF,VE,改訂水飲みテスト,反復唾液嚥下テスト,フードテストの危うさや使用時の問題について解説し,病院だけでなく,長期療法施設,老健等の回復期施設やリハビリテ-ション施設,居宅等の実際の現場で有効な評価法について解説しました.

年末の多忙な12月20日,新年最初の3連休の中日にもかかわらず,多くの方のご参加をいただきました.有り難うございました.

開催時の動画を編集してYouTubeに限定公開いたします.ご参加くださった皆様にはURLをご案内いたします.1週間ほどの公開ですのでご注意ください.

 

Covid-19の収束が見えず,一部の地域には緊急事態宣言が出されているようですが,この国の為政者さんたちの言動や行動は,まさに決められない方々の典型のように思えます.前経済同友会幹事の小林喜光氏は,「日本は黒船が来ないと動かない」と言われていましたが,黒船が来ても動かないことを露呈してしまいました.1991年に戸部良一/寺本義也/鎌田伸一/杉之尾孝生/村井友秀/野中郁次郎各氏の共著での名著「失敗の本質-日本軍の組織論的研究」(中公文庫)が出版されましたが(今でも入手できます),日本の組織-軍隊だけでなく-がなぜ変化に対応できないのかについて秀逸な分析を行っています.30年前の著ですが,全く色褪せぬ名著であり,この分析は今回のCovid-19への我が国の対応を見ると過去から全く学ばない国であることは変わっていないことや権威者と称される方が決めたことに問題があっても改変しない組織であることを改めて痛感しています.

学会の重鎮やレジェンドと称される方が決めた検査法が生理学的に問題を有していても改変されず,さらには保険請求の条件にまでされていることでどれほどの方々が迷惑を被っているか?に考えが及ばないのは,軍隊だけでない日本にある多様な組織-大学,企業,等々-全体の特徴かも知れません.

 

「起こってほしくないことは起こらない」と思いたい日本の傾向ではとんでもない結果が待っているのでしょうね.「兵士二流,下士官一流,上官三流」は日本軍についての当時の国際的な常識であったそうです・・・・イノベーションと言われていますが,ほとんど現在の日本ではイノベーションが起こらない理由にも通じますね.

 

2021年始まりました.どんな1年が待っているのか,どんな1年にするのか,Stay homeで考えたいとおもいます.今年もよろしくお願い申し上げます.

 

Covid-19とともに過ぎた2020年も終わります

楽器演奏者でのStress-VPIのPLP治療

 Covid-19で大きく変容した2020年も残り少なくなりました.

 昨年までは出かけていた仕事,毎月の熊本ハロー歯科や他の施設でのOJT,京都光華女子大学奈良県立医科大学での講義,学会の各種委員会もオンラインとなりました.対面することでの仕事ではbrain stormingの効果があるので個人的には好みなのですが,この状況は今後も変わらないような気もしています.

 

 (一社)TOUCHの活動の一つである年4回のセミナーもphysicalでは実施できず,ウェビナーでの実施となりました.主催者,受講者双方にとってメリット,デメリットがあるようですが,今後も継続することで生じた問題点を解決していくことができると思っています.

 

 TOUCHクリニックは,音声言語障害と摂食嚥下障害に対するリハビリテ-ションを目的として一昨年に開設しましたが,リハビリテ-ションに必要な場合には口腔装置治療を行うことにしていました.今年に入り,Covid-19が猛威を振るうようになってから,管楽器演奏者の中に吹奏時に呼気が鼻抜けすることで演奏ができなくなる,あるいは洩れるかもと思うと演奏中に不安になると訴える方々からの問い合わせが一気に増えました.いわゆるStress-VPIの症状です.健常者では,blowing時に口腔内圧と口蓋帆挙筋活動が相関し,最大筋活動は可及的最大努力でのblowingで示されます.さらに,最大筋活動の70%以上の筋活動になると筋疲労が生じることが知られています.

 このことから,演奏時には口蓋帆挙筋が疲労し,軟口蓋が口腔と鼻腔を分離できなくなることでStress-VPIが生じていると思われます.PLP(Palatal Lift Prosthesis軟口蓋挙上装置)を装着することで口蓋帆挙筋の疲労が軽減できることを明らかにしていますので,Stress-VPIのPLPによる治療には合理性があります.

 Covid-19で出かけることができなくなったことで装置製作にかける時間がもて,多くの演奏者に装着していただいてお役に立てたことは,なんだか奇妙な嬉しさでもあります.製作に当たっては演奏者のご意見や印象をお聞きすることで,新たな学びもありました.

 もう今年も8時間余りとなりました.今年はYouTubeも中断したままで終わることになり,宿題を残したままのような気分でもありますが,閉じ籠りで違う時間の使い方ができるようになりました.来る年も新たな問題が現れてくるのだろうと思いますが,上手くmanagementできるようにしたいと思います.

 

来年も「忘れた頃に更新ブログ」をよろしくお願い申し上げます.

来る年が皆様にとって幸せな一年になりますことを祈念して2020年最後のブログを締めます.一年,有り難うございました.

 

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2020年大晦日

 

ウェビナー基礎B 12月20日,2021年1月10日 開催します.

ウェビナ-基礎B(評価)の受付を開始しました.

Covid-19,なかなか落ち着きません.最近の感染者数の増加,検査件数が増加したことにもよるのでしょうが,根拠なく少々慣れてきて,素晴らしい「3密」が忘れられてきているようにも思います.第3波であることは否定できないようです.

さて,11月3日,8日に開催しました基礎Aに引き続き,基礎B(評価)の開催を企画しました.12月20日,2021年1月10日です.あと数日での「師走」と「新年」の超多忙な折に恐縮しつつ,開催いたします.

摂食咀嚼嚥下機能の障害は,年齢,背景疾患,居住環境,過去の介入内容の相違によって多様な病態を示します.指示に従えることが前提でのVE検査VF検査が,必ずしも正確に問題の本質を明らかにできるとは言えません.VFで使用する造影剤は全ての食事を代表できるでしょうか?被写界深度が深く,辺縁収差の大きなVEで見ているのは何でしょうか?これらの評価方法では,廃用化に陥った機能の評価は困難です.

また,改訂水飲みテストフードテスト反復唾液嚥下テストは,様々な背景疾患を持つ子供から高齢者までの老若男女の嚥下機能を評価できるのでしょうか?

居宅,施設,病院の多様な環境で生活する方々の機能の現場で使える評価方法についてお話します.

 

詳細はこちらからどうぞ.

 

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診療室に向かう額描庭の秋

 

身体障害者手帳

身体障碍者手帳の発行は?

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10月29日の阿蘇中岳

コロナ禍で対面する仕事が制限されていますが,読者の皆さんはいかがされておられるでしょうか?

先週,それまで毎月定期的にお手伝いに伺っていた熊本に6カ月ぶりに出かけました.予定の仕事の一部がキャンセルとなり,先方のF営業本部長のご案内で阿蘇山に出かけました.コロナなどどこの話ですかというような気持ちの良い時間を過ごしました.写真はその折に立ち寄った道の駅からの風景です.中岳から少し噴煙が上がっているのが見えます.

 

今日は,以前大学にいるときから疑問に思っていることを書きます.血迷ったことを書くかもしれませんが,もう前期高齢者となっておりますので,年寄りの戯言とご容赦お願いいたします.

 

私は,「口腔」の役割は,音声言語機能と摂食嚥下機能であると思っております.「そんなん当たり前やん」と思われる方がほとんどではないかとおもいます.なぜなら「歯学部」「歯科大学」では,そう教えていますもの.「日本口腔ナンタラ学会」「日本(ナントカ)歯科(ナニャラ)学会」と名前の付く学会は腐るほど(失礼!)ありますし,この2つの機能に関する研究や臨床の発表が多いですね.とくに最近は「摂食嚥下機能」に関するものが増えているように思います.

 

口腔腫瘍切除後,口蓋裂初回手術後,脳血管障害後,外傷性頭部障害などでは,口腔機能の問題が必ず関わりますが,どんなに素晴らしい手術や治療を行っても,完全な回復が期待できない場合もあります.その場合,いわゆる「身体障碍」と称する状態になり,国は「障碍者手帳」を発行します.ここで重要なことは,この障碍者手帳を発行するには,「指定医師」による診察が必要であり,指定医師は個々の機能障害に関する学術的にも専門職であるとして,国が担当の標榜科を決めています(医療法施行令(昭和23年政令第326号)第3条の 2に規定される診療科とする).

 

13の障碍が指定されており,その中に「音声言語機能障害」と「そしゃく機能障害」があります.しかしながら,「歯科」「口腔外科」は,指定標榜科としては認定されていません.日本には立派な口腔外科の先生方がたくさんおられますが,どう思われているでしょうか?

是非,先生方の大学病院,市中病院で手術を受けられた多くの患者さんのためにも,何とかしていただけないでしょうか?

 

明日はウェビナー基礎Aの開催です.まだ11月8日には若干の空席があります.怖いもの見たさでご参加されませんか?http://www.touch-sss.net/まで.

 

修了証,遅くなりました.申し訳ありませんでした.

第56回TOUCH口蓋帆咽頭閉鎖機能セミナー終了しました.修了証送付,遅くなりました.ウェビナー基礎A受付中です.

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額描庭の花

ようやく涼しくなってきました.でも「蚊」はまだ「我が描額庭」で飛びまくっています.

第56回VPFセミナー(ウェビナー)は9月13,20日に終了したのですが,何と手際の悪いことに,事前に修了証の用紙不足に気づいていませんでした.そのため,受講者の皆様には修了証+領収証をお送りするのが遅くなっていました.ようやく,昨日発送いたしましょいた.申し訳ありませんでした.

引き続きウェビナー基礎Aを11月3日5日に開催する予定です.受付中ですので,ご関心のおありの方は一社TOUCHのWEBページをご参照ください(http://www.touch-sss.net/).

さて,私の個人クリニック(舘村歯科クリニック 併設口腔機能回復室)では,管楽器演奏時に鼻抜けが生じて演奏できなくなる状態(Stress-VPI)の改善法として特別の作成法による口腔装置を提供しています.Stress-VPIは,B♭saxphoneやOboe演奏時に生じやすいとされています.とくにダブルリードの古典的なリード楽器の演奏時,とくに循環呼吸法での演奏時に生じやすいとされています.先日,作成させていただいた方は,やはりダブルリードのファゴットバスーン)の演奏者さんでした.低音では生じることはなく,構音吹奏時に生じやすいということでした.

ファゴットで生じることは教科書的にも記述がなく,Stress-VPIは,条件によって結構な頻度で発症するのではないかと思えます.

 

一寸お詫びとご案内でした.

次期TOUCH摂食咀嚼嚥下ウェビナー新シリーズ募集開始しました

ウェビナー新シリーズの基礎A募集開始です(+少し思うこと)

 まだまだphysicalなセミナーの開催には程遠いようですが,何となくこれが常態になってくるのかなぁという感覚もあります.

 一社TOUCHとして協力させていただいています川西市歯科医師会立訪問歯科センターでの定例セミナーを,ほぼ半年ぶりの9月6日に行ってきました.ほぼ半年間,ウェビナーでの開催,奈良医大での講義も遠隔,学会での編集委員会も遠隔等々,ほとんど世間の人々とご対面することがなかったため,何だか異様に気分が高揚しました.

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川西歯科医師会建物

 大学を辞して久しいですが,少し大学の空気を吸っていた者として気になる記事がありました.日経新聞に1週間ほど前の8月29日に39歳以下の教員の数が6年間で12%減っている一方,中堅(49-59歳)とシニア(60歳以上)は,この6年間に増加しているという記事がありました.すなわち,大学教員も大衆超高齢化しているということですね.これは主要18大学(RU11+7大学)での調査に基づくものだそうです.任期無しも任期ありも39歳以下の若手教員は減少しているとのことです.

 39歳以下を若手として20代前半と同様に扱ってよいのかという疑問は脇に置いておいて,なぜこうなったのでしょうね.5年でfireされるような任期あり教員に,敢えてなることを求める人はいるのかなと思いますが,いかがでしょうかね.5年後に成果が出なければ,路頭に迷うことになるのは怖いです.それも39歳になってから....

 今,海外留学する人や研究で海外にでる日本人が減っていますが,これも同様に帰国後の身分保障がなければ出ないでしょう.選択と集中という言葉のもとに,特定の先端的な研究にお金が集まりますが,この「先端的」という意味は何でしょうか?イノベーションは,「よそ者」「若者」「馬鹿者」によって成し遂げられるとのことですが,既に世界的に評価されている研究は過去の研究と言えるのではないでしょうか.

 日本にはデータアナリストがいないことや,どこかの外国での流行りを「先端」という人が滅茶苦茶多いことは,今回のコロナ禍で実感しましたし,相変わらず,「起こってほしくないことは起こらない」と考える日本であることもわかりました.この国を背負う若手の支援をしないで,この国は大丈夫なのかと思っています.どこかの誰かが根拠もなく作った(聞きかじってきた)基準で評価される若者は怒っているでしょう.

 

さて,表題のウェビナー新シリーズ11月から再開です.また一社TOUCHのHPをご覧ください.http://www.touch-sss.net/

 

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