TOUCH口腔機能回復センター http://touch-clinic.jp/ (舘村歯科クリニック内) 一般社団法人TOUCH http://www.touch-sss.net/

口腔機能の歯医者-DocTak舘村卓のささやきⅡ

摂食嚥下障害や音声言語障害に悩む方々のお役に立てる情報を提供します.

TOUCH Team for Oral Unlimited Care and Health
限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団
口腔機能の歯科医師 舘村卓は以下の代表を務めています
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ようやく春(かな?)基礎A終了,もろもろの仕事

TOUCH摂食咀嚼嚥下ウェビナー基礎A終了

3月10日,31日に基礎Aウェビナー開催しました(少々遅い).この間に17日には大分食のリハビリテ-ション研究会で講演(なつかしい人たちと旧交を温めました),24日は新潟での日本リハビリテーション病院施設協会の医科歯科連携インストラクター講習会で講演しました.5類移行後,徐々にphysicalに活動することが増え,リモートでは感じることができなかった交流が増えて,まるで春になって冬眠から覚めた熊状態です.

さて,昨年からある施設に入所されている方の訓練を担っております.脳血管障害後に嚥下障害との診断で非経口摂取にされて長期経過したものの,その対応にご家族が納得できず,現在の施設が嚥下リハを行えるとのことで転所されて来られました.入所後に,ある訪問歯科医によるVEで誤嚥があると診断されたことで,second opinionを求めて,私共に相談に来られました.

病歴や現症から嚥下機能には本質的な問題はなく,むしろ廃用化が原因であると思われたため,介入を開始しました.その施設には珍しくST職が常勤しているとのことで,心強く思えたのですが,残念なことに,非経口摂取で長期経過した方の経験は皆無(と私は見ました)のようで,問題を説明したうえで協力を期待しましたが,「そんなやり方は見たことがないから,それができるSTを連れてこい」とまで言われる始末.

当方が行った内視鏡検査では,speechでは半側の軟口蓋は運動するものの,咽頭後壁との接触はスリット状で軽度開鼻声も認められましたが,嚥下時には完全閉鎖しているため,本質的な問題はないと診断しました.口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能に関わる口蓋帆挙筋の活動は口腔内の食事量に応じて活動が変化するため,経口摂取していない場合には廃用化していることが考えられ,VEやVFを行っても嚥下障害があると誤診されます.この方も同様であると思われました.

さて,下のVF像を見られて,皆さんは何と診断されるでしょうか?

検査というのは,何が問題で,どうすればよいのかのプログラムを作るためですね.

このVFを見て「食べたらあかん」と言いますか?どうすればよいのでしょうか

次回,TOUCHウェビナーは5月12日,6月2日です.もう今年も半分過ぎる頃ですね.

今日は風が強く,猫額庭の蹲には芍薬が落ちていました.

猫額庭の蹲

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TOUCHウェビナー小児口腔機能療法終了しました

離乳や固形食の摂取がうまくすすまないという悩みをお持ちの親御さんは結構多く,TOUCHにも随分とご相談を頂きます.かなり遠方の方からもご相談を頂戴し,この北摂の山の中にまで,ましてやこの寒い時期でも来られることに心痛みます.毎日とは言わないまでも,子供さんの発達を定期的に観察することは,やはり地元の方々の方が良いと考え,開催しています.

毎回,多くの方々の参加を頂戴することから,悩まれているのは親御さんだけでなく,ご相談を受けられる専門職の方も多いように思いました.ウェビナーがお役に立てばよいのですが....

次回は,スーパーマンネリ基礎Aです.あらゆる原因での摂食咀嚼嚥下障害への対応のために,絶対知っていただきたい基礎的知識のご紹介です.目指すは,聴講くださった方々が,小生の代わりに講義していただけ,実践していただけることです.

開催は3月10日,31日です.両日とも主たる内容は同じですが,チャットや質疑応答は異なります.お申し込みくださった方は,開催後に両日の内容をU/LしたYouTubeをご覧いただけます.

詳細はこちらからです.

我が猫額庭の白梅も開花を始めました.昨年は葉芽の枝を厳しく剪定しましたので,今年は花芽の枝ばかりです.期待できます.

 

猫額庭の白梅2402

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新年おめでとうございます.

2024年,令和六年今年もよろしくお願いいたします.

 

年初からJALの衝突事故や輪島での震災と悲しいことが続いています.国外を見ても,ウクライナやガザでの問題も長引きそうな様子です.いずれも他人事には見えない状況で,どうしても沈鬱な気分になってしまいます.

今日の日経新聞土曜日版のプラス1に笑いの効果についてのevidenceの紹介がありました.講演時の冒頭で「笑いと免疫力」のことについての掴みをしています.こんな状況で,少々不謹慎かもしれませんが,可笑しくなくても無理やり笑うことが有効であることも紹介されていました.「声を出す」「連続する」が必須の条件で,これは人間とゴリラしかできないことをいつもお話しています.社会情勢は厳しい状況が続きそうですが,今年一年,平穏で年末を迎えたいものです.

小児口腔機能療法ウェビナーが今年の始動1番目の仕事です.好評にお申し込みを頂いています.詳細はこちらからどうぞ. 

今年もよろしくお願いいたします.

猫額庭の新年

 

令和5年も数時間

今年も残り僅かになりました.

Covid-19が第5類に移行し,徐々にphysicalに出かける仕事が増えた今年の後半でした.従来どおり,川西市歯科医師会訪問歯科センターでの口腔ケア講習会は2か月に1度のペースでした.京都光華女子大学言語聴覚専攻や奈良県立医科大学の講義もリモートから元に戻りました.依頼される講演も,自然総研での市民公開講座,CareTexでの講演,兵庫県歯科医師会,山城歯科医師会,千葉県歯科医師会での医科歯科連携インストラクター養成講義もハイブリッドになりました.多くの機関や団体がハイブリッドに馴染んできたように思いますが,講演する側としてはaudienceの皆さんのお顔を見ながらお話する方が手ごたえがあってよいのですが,どうでしょうか?

TOUCHのセミナーは,次回1月14日,2月4日開催の小児口腔機能療法で78回を迎えます.ほぼ同じ内容でのウェビナーを2回繰り返しますので,都合100回を越えたようです.一部の方からはphysicalなセミナーと言われるのですが,ウェビナーであると,当方の近くの会場にまでお越しになれない遠方の方々にもお届けすることができるので,当面はZOOMを使った形式で継続しようかと思っています.

さて,年々にズボラになっていく迎春の準備,出来合いの飾りで失礼いたします.読者の皆様には来る年が佳き一年となりますことをお祈りして,今年の幕引きとさせていただきます.

今年一年,これまたズボラな更新のブログ,お読みくださり,有り難うございました.

できあいのお飾り,恐縮

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報告書て何?(後編)ウェビナー口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能募集中です

速いもので,前回から1か月も経ってしまいました.

報告書の後編です.

ところで「「視察」で「花の都」の塔の前で記念撮影されたことや地方議会の議員さんが「視察」でビジネスクラスを使われたことの理由について,ご本人さんたちは「報告書を出す」ということでしたが,本当に公開されたのでしょうか.世事に疎いもので,ついぞ小生の眼には入ってこなかったのですが....

さて,UI Urbana-Champaignでの調査研究から帰国後「報告書」を出せとのことでしたので,収集したIowa,Pittsburgh,Wisconsin Maddisonの各大学の膨大な教育資料に基づいて,教育内容の各大学での相違についてA4で厚さ10mmほどの重厚な報告書を提出しました.

数日後,事務長さんから呼び出され,「先生,申請時の滞在先以外に行かれては困ります」と言われ,「イリノイ大以外の報告書は割愛してください」と言われてしまいました.泣く泣くUIのものだけにして提出したところ,またまた呼び出され「少々分量が多いので減量してください」との指示がありましたが,十分に減量しきれずに提出したところ,またまたまた呼び出され「先生が向こうでされたご努力には敬服いたしますが,報告書はこのようなものです」と言われて「チラ」っと見せられた先輩たちの報告書は「かくかくしかじかの目的で,●月●日から×月×日まで,どこそこに滞在し,当初の目的を達成し,有益な結果を得たので報告する」という2行ほどの報告を記した1枚のスカスカのA4紙でした.すなわち,内容の報告書ではなく,「行って無事帰ってきたよ」の報告だったのです.

国費使って,たいそうな目的で海外に出たのに,こんな報告書はけしからんではないですかと言いましたが,事務長さんは随分困られていました.当時の事務長さん,お名前は伏せますが,申し訳ありませんでした.

現地では他の中央省庁からの,おそらくは上級職のエリートの方にもお会いしましたが,これが国を導くための留学というのかという思いで心の中で怒っておりました.ひょっとするとその頃から前頭葉の萎縮が始まっていたのかもしれません.

報告書,徒然.

TOUCH VPF(口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能)セミナー参加者募集中です.

 

詳細はこちらから.

報告書て何?(前編)VPFウェビナー募集中です

 国会議員さんが「視察」で「花の都」の塔の前で記念撮影されたことや地方議会の議員さんが「視察」でビジネスクラスを使われたとのことで喧しいです.ご本人さんたちは「報告書を出す」ことで正当であると言われているようです.

「報告書」ということばを聞いて個人的に昔のことを思い出しました.

 本邦での言語聴覚士の資格は,米国から約70年遅れる1997年に国家資格となりました(米国ではASHAの認定ですので国家資格と言えるかな?).米国では,Big10と呼ばれる主要大学(すべてではありません)にある「Dept. Speech and Language Pathology言語病理学部(こんな訳し方しかありません)」で4年学び,その後に修士2年を義務付けていますので,養成校が主の本邦とは教育課程が随分違うように見えます.

 当時Speech personの端くれとして口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能の研究と臨床を行っていたこともあり,資格制度成立後の教育に何が必要かを知りたいと思っていました.

 たまたま「米国でのSLP教育課程の調査」というタイトルで文科省から「調査研究費」を頂くことができました.既に毎年イリノイ大(Urbana-Champaignという田舎のUniversity of Illinois @Urbana-Chamapign UI)に出かけていましたので,友人DP.Kuehnは「わざわざ何で来んのん」みたいな感じでしたが,目的を説明してUIに滞在しました.Kuehnから,その目的ならIowa,Pittsburgh,Wisconsin Maddisonにも行った方が良いとのことで,当時物騒なグレイハウンド(グレイライン)のバスに乗って,膨大な各大学での教育資料を集めて持ち帰ってきて,報告書の作成を開始しました.

この報告書提出後の顛末については次回にお話します.

 

TOUCH VPF(口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能)セミナー参加者募集中です.

詳細はこちらからどうぞ

第76回アドバンストウェビナー終了 第77回VPFウェビナー募集中

第77回口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能ウェビナー募集中です

第76回アドバンストウェビナー終了しました.ご参加くださった皆様にはお礼申し上げます.

次回は,世界でTOUCHしか提供できない「口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能」ウェビナーです.speechと摂食嚥下機能の要衝であるにもかかわらず,ヒトしか研究対象にならないことで,侵襲的な研究方法(筋電図等)が使えない昨今の状況からは,U of IllinoisのDP KuehnやU of IowaのJerry Moonや私の研究グループの研究報告しか有用な知見がありません.研究のための研究ではなく,臨床に有用な研究の数々の結果から使える情報を提供します.

blowing訓練の嘘,/a/発音では軟口蓋機能は評価できないこと,構音訓練が嚥下リハビリテ-ションには一例を除いて無効である理由,形を真似た口腔装置の装着に対する患者さんのcomplianceが低い理由,等々についてお話します.

 詳細はこちらから.

 

さて,今日は町内で「COPEN OF JAPAN 11th」というお祭り?が開催されていました。全国から凝りまくりのダイハツコペンが集まっていました。小生の車はコペンではないのですが、いつもお世話になる車屋さんが主催なので散歩がてら犬+奥さんと行って来ました。 残念ながら,この楽しいイベントも今年限りとのことでした.何だか,今のところ人気のない,莫大なお金が注入されるイベントが数年先に予定されているようで,補助がそちらにまわるようです.実に残念.

 

 

COPEN OF JAPAN 11th