TOUCH口腔機能回復センター http://touch-clinic.jp/ (舘村歯科クリニック内) 一般社団法人TOUCH http://www.touch-sss.net/

口腔機能の歯医者-DocTak舘村卓のささやきⅡ

摂食嚥下障害や音声言語障害に悩む方々のお役に立てる情報を提供します.

TOUCH Team for Oral Unlimited Care and Health
限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団
口腔機能の歯科医師 舘村卓は以下の代表を務めています
TOUCH口腔機能回復センター(舘村歯科クリニック) http://touch-clinic.jp/
一般社団法人TOUCH http://www.touch-sss.net/

TOUCH摂食咀嚼嚥下ウェビナー基礎B(評価)終了しました

1月9日,23日 表記ウェビナー終了しました.

まだまだCovid-19が収まりません.新たなオミクロン株も登場ですが,これまでとは少々感染の様相が違うようなことが報告されているようですが,相変わらず感染者数の報告ばかりで実態がデータで提示されないので,魏疑心暗鬼になってしまいます.

 

この国はなぜ「数字」を大切にしないのでしょうか?先日も国交省が過去の資料を職員が改竄していた,それも長期間にわたって行っていたことが報道されていました.このような改竄は国交省だけなのか? 厚生労働省への地方自治体からの報告が,FAXで行われるということがCovid-19禍が始まった直後に報道されていて,その理由が「ネットで報告すると改竄されるからだ」との訳のわからない説明を官僚がしていましたが,これは本当のところは手書きのFAXの方が,後々都合よく書き換えられるからではないのかと邪推しますね.

蔓延防止の効果は,官僚によると,「それなりに」出ていて,地方によっては「劇的」だそうですが,これ何?定性的で,再現性のない表現ですね.この国にはデータアナリストが生まれないと言われますが,「そうだろうよ,元データ勝手にいじるのだから」と思っています.

話が長くなりました.某学会が勧める評価法も,よく似ています.この何だかよくわからない評価方法の問題を説明いたしました.学会も変わりませんね.

さて,次回のウェビナーは,2月27日,3月6日に開催するアドバンストウェビナーで,事例検討です.よろしければご参加ください.詳細はこちらからどうぞ

f:id:DocTak:20220124182200j:plain

一社TOUCHQRコード

 

令和4年,新年おめでとうございます。

今年もTOUCHウェビナー継続します.

2020年令和4年,新年あけましておめでとうございます.

昨年は(も)Covid-19に振り回された1年で,当初は非常態の生活スタイルと思っていたのが,非常態が常態になってきたかのようなハイブリッド生活になれてきました.これが良いのか悪いのかを見極めるには,しばらく時間がかかりそうです.それまではしぶとくかわしながらやっていくしかなさそうです.

 

VF,VEは本当にGold standardと言える検査法なのか?廃用化した機能の評価は可能なのか? 改定水飲みテスト,フードテスト,反復唾液嚥下テストは本当にスクリーニング検査なのか,集団での結果から導いた基準は個人で得られた結果応用できるのか,一体,何がわかるのか?

次回TOUCH摂食嚥下ウェビナー(基礎B)で突き詰めたいと思います.

 

今年も「猜疑心一杯」の「ひねくれ者」の臨床についてお話していきたいと思います.

読者の皆様のご多幸をお祈りし,今年もTOUCHをよろしくお願いいたします.

f:id:DocTak:20220101155442j:plain

2020年元旦雪の額猫庭

 

 

自分は絶対にしないけれど他人には強いるリハビリテ-ションとは何?(2)

はびこる不可思議リハビリテ-ション-味のあるものを臼歯咬合面に乗せると自動的に咀嚼するか?

第65回TOUCH基礎ウェビナーA,11月23日,28日終了しました.多数のご参加,有り難うございました.次回基礎B(評価)は12月26日,1月9日を予定しています.年末年始でお忙しいでしょうがご参加くださいますと幸甚です.

 

さて前回に続く「不可思議リハビリテ-ション」シリーズの2回目です.

前回の小児の担当ST先生とは異なるST先生の指導です.「咀嚼運動を促すために臼歯咬合面に食物をのせる」という指導が行われます.咀嚼運動は精緻な神経筋機構によって行われる高度の機能ですが,マクロの視点で見ると「下顎と舌が,共に前後上下左右方向に運動し,食物をかみ砕き磨り潰す」運動です.同時に刺激唾液が分泌されることで,食物の味覚物質が唾液によって味蕾に運ばれて味が知覚できます.

すなわち,臼歯咬合面に「味のあるもの」を載せたとしても,舌が左右運動できていなければ咀嚼できませんし,臼歯によって食物が磨り潰されて味覚物質が生じなければ味はわかりません.食物が勝手に味覚物質を,「香り」のように出しているのではありません.また,仮に「勝手に」味が生じたとしても咀嚼するわけではありません.例えば,アイスクリームは,口の中で溶けても,咀嚼しません.この「臼歯咬合面に食物を乗せるリハビリテ-ション?」は,歩行機能を促すために「靴を履かせる」という本末転倒の介入と同様のように見えます.

 

咀嚼運動を促すためには,舌運動を左右方向に誘導するための機能訓練を優先するべきであり,左右運動が生じてから離乳後期食に準じた物性の食物を提供するべきです(終了した基礎ウェビナーAで紹介した方法です).またその場合には,一口量にも注意が必要です.

口の機能を触る人には,是非基礎的な口腔生理学を知っていただきたいと思います.何となく「先人が行っていたから踏襲する」というのは止めていただきたいと思います.

「理論なき実践は暴力である」

f:id:DocTak:20211129172056j:plain

猫額庭の紅葉 もう秋も終わりです

自分は絶対にしないけれど他人には強いるリハビリテ-ションとは何?(1)

はびこる不可思議リハビリテ-ション-ガーゼに包んだ食べものは食べ物か?

 毎月2度,大阪府歯科医師会CPセンターで摂食嚥下障害の診察をしています.

 ある男児が半年に一度通院してきてくれます.約3年前の初診時には原始反射が強く,首もすわっていませんでした.固形物が摂取できる条件は,年齢や疾患にかかわらず,「首がすわる(うなずき頭位が採れる)」と「原始反射が見えなくなっている」の2条件です.

 もともと(現在も)ある有名で立派な小児専門病院に通われているのですが,その病院のST先生から「原始反射があるので訓練はできない」と言われていました.不思議なのは「原始反射の脱感作も訓練」なのに,なぜか介入がなかったため,当方で脱感作のためのプログラムを提供し,約1年を要しましたが脱感作でき,スプーンや歯ブラシが挿入できるようになりました.

 脱感作できたので(その病院には当方に通院されていることは伏せられていますので勝手に脱感作したと思われているようです),その病院で訓練が始まり(実際には当方で開始していました)ました.

 ST先生からは,咀嚼訓練と称して「誤嚥すると危険だからガーゼに包んだ飴玉や味が出るもの」を臼歯部に置けとの指示でした.これは,「訓練」と称する,全く意味のない指導と言わざるを得ません.

 臼歯咬合面に「何か物」を置けば,咀嚼運動が自動的に開始されるでしょうか?咀嚼運動の最低条件は「舌が前後上下左右に動くこと」であり,「これは食事である」ことが認識されなくては,一連の摂食咀嚼運動は始まりません.

 ガーゼに包んだ食物を食べられたことがあるでしょうか?その食物?を咀嚼されたでしょうか?舌運動が前後方向に制限されていても咀嚼運動が勝手に生じるでしょうか?

 不思議なことを臨床の現場で経験することがあります.それは「自分は絶対にしないけれど患者はできる」「自分は絶対にしたくないけれど患者にはさせる」ことです.自分のできないこと,試したことがないことをどうして患者さんに強いるのでしょうか?

 

 しばらく,ブログを更新していませんでしたが,どうしても腹立たしいことに直面する機会が何度もあったので,ここしばらく「なぜ,あなたは患者に強いるのか?」をシリーズでします.例えば,「口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能の賦活には軟口蓋を綿棒で刺激する?」「食物は臼歯に乗せるだけで勝手に味が出る?」「嚥下時に頭部が前屈するのでバギーで後傾姿勢にする」などです.

 私のコメントに異論のおありの方は是非生理学的立場からご指摘ください.待っております.次回のウェビナー基礎Aでもとりあげたいと思います.

 

f:id:DocTak:20211120182523j:plain

ガーゼ食?な、何なんだ,これは?

 

第64回TOUCHウェビナー「口蓋帆咽頭閉鎖機能を極める」終了しました(遅い報告)

マニアックな口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能セミナー終了しました

9月26日,10月10日に第64回ウェビナーを開催いたしました.

滅茶苦茶マニアックな口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能についての基礎から臨床まで,生理学に基づいてお話しました.

その中でblowing検査に用いられる「巻き笛,巻きどり,カーニバルブロウ」は,その機械特性や無規格であることから信頼に足る結果が得られないことをおはなししました.

複数のSTさんから同じ質問を受けました.それは,「他動的軟口蓋挙上訓練」というのがあり,「アー」などの発声に合わせて舌圧子で軟口蓋を挙げる訓練だということでした.終了後に調べてみると,この訓練法が堂々と公開されていました.かなりの驚きを持ってしまいました.多くの問題を有している訓練ですね.

①「アー」などの発声とありますが,舌圧子を挿入するには「アー」しかできないこと,

②低舌位母音(/a/,/o/)では健常者でも(約33%)軟口蓋の挙上は不十分であること,

③舌圧子で挙上する高さは?

④嘔吐反射があっても可能でしょうか?

⑤軟口蓋を他動的に挙上しても,挙上筋である口蓋帆挙筋の収縮方向への訓練にはならないこと,等々.

 

不思議なことですが,このような訓練方法を若きSTさんたちに指導されていることに驚くとともに,その効果の検証がなされず,その根拠も示されていないことに驚きました.

さて,ウェビナー新シリーズは11月23日,28日に始めます.よろしければご参加ください.

 

f:id:DocTak:20200808135906j:plain

世界で(多分)1冊の口蓋帆咽頭閉鎖機能の教科書

 

第63回TOUCH摂食咀嚼ウェビナー アドバンスト終了しました.

アドバンストコース終了しました.

基礎A(総論),基礎B(評価)に続く,事例紹介のためのウェビナーを8月15日,29日に開催しました.

physicalなセミナーでは,開催場所,受付,資料配布,会場設営等のお手伝いいただく人の確保,等事前準備に結構な時間を割かれる割に,時間通り終了する必要があり,活発な意見交換ができません.一方,ウェビナーで行うと,匿名にしていることで,自由にチャットができることや判らないところについてのご質問を受けることができます.

先日のコースでも,参加された方々もウェビナーに随分とお慣れになっているようで,活発なチャットでのやり取りができましたが,そのために予約時間をオ-バーしそうになりました.

ウェビナーは一時のものかと思っていましたが,どうも今後の講演会の主流になりそうな気もしています.

次回は,小生のライフワークとでも言うべき口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能についての,相当マニアックなウェビナーです.9月26日,10月10日に開催です.

詳細はこちらまで.

第62回TOUCH摂食咀嚼嚥下ウェビナー基礎B(評価)終了しました.

7月4日,25日開催のウェビナー基礎B(評価)を終了しました.

TOUCH流の生理学に基づいた摂食咀嚼嚥下機能の評価法についてお話しました.某学会が勧める人気の評価法や介入的評価には多くの問題があることを解説いたしましたが,講義中にふとこの国に蔓延る問題と共通することを感じました.

一旦,「立派な」方が決めると時代にそぐわなくなっても「決して」「改善」されないのだということです.厚生労働省の課長通達しかり,学会の評価方法しかりです.開催中のチャット(ウェビナーの良いところはチャットができることで双方向にコミュニケーションできるところですね)で,ある方が「学会が推奨するので大人の事情で使わないといけない場合もありますね」と言われていました.

今週いろいろなバタバタがあってオリンピックが始まりました.バタバタの背景は,何だか「有名な人」「偉い(ような)人」「何かの力がある(ように見える)人」が実質的に役立たなかった,ポンコツだった,能力がなかったからではないかと,暑気に当たって正常な判断ができない頭なので思ってしまいます.同じことが学会でも起こっているように思います.困るのは患者さんですね.

旧日本軍は「下士官(たたき上げの士官,尉官にはなれない)一流,兵士二流,士官三流」と世界から呼ばれていたそうです.今のこの国での組織体でも,兵士の階級を読み替えると全く変わっていないように思います.残念ですが.

社会を変えるのは,「若者,よそ者,馬鹿者」と言われています.そろそろこの国の多くの組織体も覚醒が必要な気がしますね.

 

TOUCH摂食咀嚼嚥下セミナー第63回アドバンスト(事例検討)参加者募集中です.

詳細はこちらからどうぞ.http://www.touch-sss.net/

 

f:id:DocTak:20210726155550j:plain

猫額庭_トマト