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口腔機能の歯医者-DocTak舘村卓のささやきⅡ

摂食嚥下障害や音声言語障害に悩む方々のお役に立てる情報を提供します.

TOUCH Team for Oral Unlimited Care and Health
限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団
口腔機能の歯科医師 舘村卓は以下の代表を務めています
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第64回TOUCHウェビナー「口蓋帆咽頭閉鎖機能を極める」終了しました(遅い報告)

マニアックな口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能セミナー終了しました

9月26日,10月10日に第64回ウェビナーを開催いたしました.

滅茶苦茶マニアックな口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能についての基礎から臨床まで,生理学に基づいてお話しました.

その中でblowing検査に用いられる「巻き笛,巻きどり,カーニバルブロウ」は,その機械特性や無規格であることから信頼に足る結果が得られないことをおはなししました.

複数のSTさんから同じ質問を受けました.それは,「他動的軟口蓋挙上訓練」というのがあり,「アー」などの発声に合わせて舌圧子で軟口蓋を挙げる訓練だということでした.終了後に調べてみると,この訓練法が堂々と公開されていました.かなりの驚きを持ってしまいました.多くの問題を有している訓練ですね.

①「アー」などの発声とありますが,舌圧子を挿入するには「アー」しかできないこと,

②低舌位母音(/a/,/o/)では健常者でも(約33%)軟口蓋の挙上は不十分であること,

③舌圧子で挙上する高さは?

④嘔吐反射があっても可能でしょうか?

⑤軟口蓋を他動的に挙上しても,挙上筋である口蓋帆挙筋の収縮方向への訓練にはならないこと,等々.

 

不思議なことですが,このような訓練方法を若きSTさんたちに指導されていることに驚くとともに,その効果の検証がなされず,その根拠も示されていないことに驚きました.

さて,ウェビナー新シリーズは11月23日,28日に始めます.よろしければご参加ください.

 

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世界で(多分)1冊の口蓋帆咽頭閉鎖機能の教科書