国会議員さんが「視察」で「花の都」の塔の前で記念撮影されたことや地方議会の議員さんが「視察」でビジネスクラスを使われたとのことで喧しいです.ご本人さんたちは「報告書を出す」ことで正当であると言われているようです.
「報告書」ということばを聞いて個人的に昔のことを思い出しました.
本邦での言語聴覚士の資格は,米国から約70年遅れる1997年に国家資格となりました(米国ではASHAの認定ですので国家資格と言えるかな?).米国では,Big10と呼ばれる主要大学(すべてではありません)にある「Dept. Speech and Language Pathology言語病理学部(こんな訳し方しかありません)」で4年学び,その後に修士2年を義務付けていますので,養成校が主の本邦とは教育課程が随分違うように見えます.
当時Speech personの端くれとして口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能の研究と臨床を行っていたこともあり,資格制度成立後の教育に何が必要かを知りたいと思っていました.
たまたま「米国でのSLP教育課程の調査」というタイトルで文科省から「調査研究費」を頂くことができました.既に毎年イリノイ大(Urbana-Champaignという田舎のUniversity of Illinois @Urbana-Chamapign UI)に出かけていましたので,友人DP.Kuehnは「わざわざ何で来んのん」みたいな感じでしたが,目的を説明してUIに滞在しました.Kuehnから,その目的ならIowa,Pittsburgh,Wisconsin Maddisonにも行った方が良いとのことで,当時物騒なグレイハウンド(グレイライン)のバスに乗って,膨大な各大学での教育資料を集めて持ち帰ってきて,報告書の作成を開始しました.
この報告書提出後の顛末については次回にお話します.