TOUCH口腔機能回復センター http://touch-clinic.jp/ (舘村歯科クリニック内) 一般社団法人TOUCH http://www.touch-sss.net/

口腔機能の歯医者-DocTak舘村卓のささやきⅡ

摂食嚥下障害や音声言語障害に悩む方々のお役に立てる情報を提供します.

TOUCH Team for Oral Unlimited Care and Health
限界無き口腔ケアと健康のための医療福祉団
口腔機能の歯科医師 舘村卓は以下の代表を務めています
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はびこる不可思議リハビリテ-ション(3)-吹き戻しでのblowing訓練は口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能の改善に効果があるのか-

不思議リハビリテ-ションシリーズの3回目です.

 口唇機能が低下している場合や脳血管障害後の鼻咽腔閉鎖不全症に対するリハビリテ-ションの一つとしてblowing訓練が行われることがあります.その際に「carnival blow(CB)」(吹き戻し,巻きどり,巻き笛)が用いられることがあります.CBは医療機器でしょうか?もちろん違いますが,かなりの公的な団体(例えば,公益財団法人長寿科学振興財団が提供している健康長寿ネット)でも勧めています.

 

blowingが可能であるには,当然口蓋帆咽頭(いわゆる鼻咽腔)閉鎖機能(velopharyngeal function VPF)が正常であることが必要です.とすると,blowing訓練は鼻腔に呼気が漏出するために,閉鎖不全の改善のためには矛盾しますよね.ところが,この訓練を継続でき,一見機能改善が進んでいるかのように見える人がいます.

 その理由は,CBを1回吹き伸ばすと巻紙の中に入っているバネの金属線が「伸びてしまう」ために,二回目以後に吹き伸ばすための口腔内圧が小さくて済むためです.blowingのための呼気圧は低くても,バネが「へたっている」ために継続できるのです.継続できるのであれば良いのじゃないかと思われるかもしれませんが,問題があります.健常者であればblowing時の口腔内圧の大きさと口蓋帆挙筋活動は相関するのですが,重度の閉鎖不全の場合には口蓋帆挙筋活動は口腔内圧の大きさに関わらず低いままということです.さらに,最大筋活動の70%以上の筋活動は筋疲労を惹起しますので,結果としては無効ということになります.

 Youtubeに関連する動画をuploadしました.7分の動画です.

PCの方はこちらから,スマホの方はこちらからどうぞ.

 

 ではVPIに対してはどのような訓練が望ましいのか?5月1,8日開催のTOUCHウェビナーVPFでお話します.ゴールデンウィーク中ですが,よろしければご参加ください.

詳細はTOUCHのHPまで.

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4月6日の猫額庭の桜です.満開になり,ようやく春になった気持ちでしたが,今日11日には散り急いでおります.

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猫額庭の夜桜2022年